第1章

4/7
前へ
/7ページ
次へ
鏡の中に映るその姿は似てる。 だけど、いくらものをシェアして見た目はそっくりに出来ても、心まではシェアできない。 私と、理世の気持ちは似てはいない。 もちろん、うぬぼれじゃなくて理世も私のことはすきだと思う。 ただ、私の“すき”は理世の“すき”とは別物だ。 この気持ちだけはいつまでたってもシェアできない。 シェア出来たらいいのに、とは思うけど、この気持ちがフツーじゃないのはわかるからそこまでは望まない。 だから、 私は鏡の中の理世そっくりな私に、キスをする。 虚しいことだとわかってはいるけれど、この気持ちを伝えるわけにはいかない。 伝えて、理世を失ったら、……そう考えるだけで。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加