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わけあって私には両親がいない。
前までは祖父母の家に住んでいたけど、高校生からは一人暮らしになった。
「あーーーーーいーーー!」
声の方へ振り返ると、勢いよく自転車で坂を下ってくる翔がいた。
「もー!危ないじゃないの!」
「ごめんごめん。ってか、そんなことよりこのままじゃ俺ら遅刻だぜ?後ろ乗っけてやるよ!」
「あっ!そうじゃん!乗せて!」
翔は私の幼馴染。
小学校、中学校と一緒で翔の家族とも仲良くさせてもらってる。
中学校、高校、そして私たちの家はとても近い。
私たちは遅刻、遅刻と騒ぎながら坂を下っていった。
そして、私はふとこの道で出会った人を思い出していた。
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