第1章

3/9
前へ
/9ページ
次へ
わけあって私には両親がいない。 前までは祖父母の家に住んでいたけど、高校生からは一人暮らしになった。 「あーーーーーいーーー!」 声の方へ振り返ると、勢いよく自転車で坂を下ってくる翔がいた。 「もー!危ないじゃないの!」 「ごめんごめん。ってか、そんなことよりこのままじゃ俺ら遅刻だぜ?後ろ乗っけてやるよ!」 「あっ!そうじゃん!乗せて!」 翔は私の幼馴染。 小学校、中学校と一緒で翔の家族とも仲良くさせてもらってる。 中学校、高校、そして私たちの家はとても近い。 私たちは遅刻、遅刻と騒ぎながら坂を下っていった。 そして、私はふとこの道で出会った人を思い出していた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加