0人が本棚に入れています
本棚に追加
いろんな事があった後、僕は吸血鬼になった。
特に後悔はしていない。
けれど、この後、いった言葉には後悔していた。
『じゃあ、僕の所に泊まれば。』
僕は泊まる所が、無いと言っていたエレナに、そう言ってしまったのだ。
その言葉に偽りがあった訳じゃない。
ただ、その後のエレナの言葉を、聞いていなかったからだった。
『観光するつもりだったので、ホテルを借りようと思っていたんです。』
その言葉を聞いたのは、僕の部屋についてからだった。
唖然としてしまった。膝の力が抜け、床に手を突いてしまった。
『どうしたんですか。優一さん?』
エレナの自覚症状なしに、心配そうに駆け寄ってきた。
『大丈夫だよ。』
今に始まったことじゃないから、気にしたら敗けだ。
気を取り直して立ち上がった。
『エレナ疲れているだろうから、先に風呂に入ってくれ。』
正直、僕もクタクタだったけど、エレナを、先に休ませてあげたい気持ちが大きかった。
『…あ、はい!』
少しエレナの声が跳ね上がった気がしたのは、気のせいだろうか。
『風呂場はすくそこだから。』
指を指して案内する。
そのまま、エレナは風呂に向かった。
『お先に失礼します。』
僕の部屋は1ルームで、脱衣場所などは、付いておらず、服を脱ぐ場所がなかった。
エレナはその事を確認すると、風呂の前で服を脱ぎ出した。
『なにやってんの!!?』
僕は顔が紅潮していく。
キョトンとした顔で、僕を見つめている下着姿のエレナ。
『どうかしましたか。』
明らかに分かっていない。
チクショウ何で、僕だけどぎまぎしなきゃいけないんだ。
『普通、男の前では肌をみせないだろ。』
僕の言葉にエレナは首を傾げた。
『優一さんは、私の伴侶ですから平気ですよ。』
ニッコリ笑った。とても、可愛くみえた。
エレナの身体は、とても綺麗だ。無駄なところに肉がなく、必要なところに肉がある感じた。
少女の可愛らしさ、無邪気さと大人の色気、妖艶さを合わせたような女の子に感じる。
ってなに考えているんだ僕は。
最初のコメントを投稿しよう!