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『は、早く風呂に入ってくれ。』
つい、叫んでしまった。
『はい。』
エレナはビクッ肩を震わせ、そそくさと風呂に入っていく。
はぁ、僕は、何をしているのだろうか…。
エレナの肢体は、ボクの脳裏に焼き付いてしまった。
目を瞑って首を振り、それを振り払おうとした。
けれど、振り払うおとすればするほど、それは強く焼き付いていた。
『くそっ。』
吐き捨てるように呟いて、ベットに腰かけた。
『これじゃあ、僕は…』
誘っているみたいじゃないか。
ため息をつき、ベットに横になった。
風呂場からシャワー音が響く。
独り暮らしのため、そんな音が部屋中に響くことを今知った。
そして、その音は否応なしにエレナの肢体を想像させる。
『ヤバい。』
思考がループしている。
考えない、考えないゾ。
『あの、優一さん。お洋服ありませんか?着替えを持っていなくて。』
エレナが風呂場から、顔だけだして声をかけてくれた。
『ほら』
僕は、ベットから身体を起こし、クローゼットの中からシャツを渡した。
エレナの髪の毛が濡れている。
髪の毛の間から、エレナのうなじが見え隠れする。
…なんだろう…心臓がドクドクいってる。
…エレナのうなじに噛みつきたい。
そして、血を吸いたい。
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