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『あの、優一さん。』
風呂場から顔を出してエレナから声をかけられた。
幸い、顔だけ出していて、身体は風呂場に隠れている。
『着替えを持っていなくて、出来ればお洋服を貸していただけませんか。』
少し恥じらうように、僕を見てきた。
僕はベットから身体を起こし、クローゼットの中からシャツを取り出した。
『ほら』
そして、エレナにシャツを渡す。
『ありがとうございます。』
エレナの髪の毛が濡れていた。
髪の毛の間から、うなじが見え隠れする。
ヤバい、さっきのドキドキが、ぶり返してきた。
『優一さん?』
シャツを着たエレナが、風呂場から出て来て顔を近付けて来た。
『ふ、風呂に入ってくる。』
僕は、その場から逃げるように風呂場にむかった。
『はぁー。』
僕は、ため息をつきながら、シャワー浴びた。
体の火照りを押さえるように温度を下げ、水に近い温度にする。
しばらく、水を浴びていたら、体の火照りが収まってきた。
シャワーを止め風呂場を後に……出来ない。
重要な事を思い出した。
独り暮らしのため、普通は全裸で部屋の中を歩き、必要な服を取り着る。
しかし、今はエレナがいる。
出れない。
どうする。
このまま、全裸で部屋を出てしまったらエレナが…
「案外小さいんですね。」とか
「不潔です。」とか
いや、案外普通の反応?それならまだいいけど…
「優一さんなら、良いですよ。伴侶ですから。」
ダメだよ。エレナー。
何をやってんだ僕は…
また、ため息をつき正攻法を使うことにした。
『エレナ』
彼女に服を取ってもらったほうが、一番確実だ。
でも、どうしたことか反応がない。
『エレナ?』
恐る恐る風呂場から顔を出し、部屋の様子をうかがった。
すると、そこには、僕のベットで横になっているエレナがいた。
規則正しい寝息を、立てている。
『なんだよそれ。』
安堵の愚痴を溢して、エレナが起きないようにクローゼットに近づいた。
クローゼットから、服を着てエレナの顔を見てみた。
すげー、可愛いと思う。
好みのタイプだ。
…これ以上は危険だ。
変な気持ちになってしまう。
エレナから離れ、平たいソファーをベット代わりにし取り出した毛布を被って床についた。
眠れない。
女の子か近くにいるんだ。
色んな妄想をしてしまう。
結局、明け方近くまで卑猥な妄想と格闘していたら、エレナが目を覚ましまようだった。
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