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「お嬢様、おはようございます。朝の珈琲をお持ちいたしました。」
部屋に入ってきたメイドは、ずかずかとベッドまで歩き、横にあるドレッサーの上にカップを置いた。
煌びやかな調度品に囲まれるようにあるダブルベッドは、一人で寝るにはあまりにも広すぎて、贅沢だ。
その中でいまだにすやすやと眠る少女が一人。
幸せそうな顔で、おっぱいうぇーいと寝言を言っている少女をメイドは微笑ましいものを見ているかのように見て、少女を起こしにかかる。
「お嬢様、朝でございます。早く起きてくださいまし。せっかく淹れた珈琲が冷めてしまいます。」
「…んー」
体を揺さぶって起こそうとするが、少女は身を捩らせ、布団を頭からかぶってしまう
小さな抵抗だ。
しかし、このままではいくら経っても起きそうにないので、メイドは溜息をつくと、両手を前につき出した。
「『ウォーター』」
そう唱えると、どこからともなく水が出現し、つき出した両手に集まった
「『ショット』」
その言葉と同時に、集まっていた水は吸い込まれるように寝ていた少女の体に命中し、ベッドにいたはずの少女は撃たれた衝撃で下へ転げ落ちた
「…………」
うつぶせのまま動かない少女の前に、メイドは移動すると、少女の脇に手を入れ軽々と持ち上げた
「おはようございます、お嬢様。今日のご機嫌はいかがですか?」
「………………」
ふい、と横を向く少女。
眉間にシワを寄せ、明らかに怒っています!という表情をしている少女に、メイドは困惑する。
「あ、あの。お嬢様?」
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