第4章

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「どうしよ……ほんとに、止められないかも……」 困惑が入り混じったハルの声は微かに揺れていて、その頼りなさに何故か胸の奥底が揺さぶられる。 この気持ちが何なのか。 それを考えるのは面倒臭すぎる。 マジで、うぜぇ。 この状況で難しいことを考えんのは、まっぴらごめんだ。 これ以上の厄介ごとはいらない。 いらねぇんだよ。 ーーーーだから。 「………………好きにすりゃいいだろ……俺は関係ない」 自分の身体のくせに、何言ってんだか。 「ーーっ、ン、ちょ、っふ」 噛み付くようにキスをされ、そのまま右手が胸の突起をギュッと強くつかむ。 痛いのとキスが激し過ぎるので、俺はそれ以上考えることを放棄しこの波にのまれた。 「ぃて、馬鹿お、いっ……っ、」 降り注ぐ唇に、噛み付いて来る歯。 セックスって、こんなんだったか? うっすらとそんなことを考えながら、開かれて行く自分の身体から少しだけ目を背ける。 キッチンの中で後ろからこの男を受け入れるなんて、一体どうしてこんなことになっちまったんだろう。 それでもまともな思考は徐々に削ぎ落とされ、いつの間にか移動していたソファーに押し付けられたまま俺たちはまるで獣みたいに身体を重ねた。 次に気が付いた時。 床に寝転がっているハルをソファーの上から見下ろしながら、お前こそ風邪引くぞ、と思ったのがその日最後の記憶だ。
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