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師弟子―zero―
「【獅子の子落とし】とゆう言葉を知ってるか?」
切り立った崖の上、断崖絶壁のその場所で女は艶のある黒のショートの髪を風に揺らめかせ言った。
「“子にわざと苦しい思いをさせ力量を試し、力のある子だけを立派に育てる”まさに弱肉強食の世界を現したような言葉だ」
赤い口紅を塗った口が言葉を続ける。
女の着ている黒のタンクトップは赤い唇ににて強調的で、女の谷間を見せつけている。
長くスタイルの良い脚はジーンズで隠れて腰に巻くごつい黒地のベルトは女の好みのものだ。
「これにある者は非道だと思うだろう、だが私は違うと思う」
女は何千メートルもある崖から這い上る深い青色の髪をした少年に語りかける。
その少年は傷だらけのボロボロだがその猫のような瞳からは諦念は感じられない。
「それもまた」
タレ目の黒の瞳が少年を射抜く。
少年の傷だらけの腕が女が立っている平らな地面に乗せると同時に
無情にも
「愛ゆえなのだから」
女が履いている草履でその腕を蹴り落とした。
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