師弟子―zero―

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「~っなにすんだこのビッチィイイイイイ!!!!」 無情にも落とされた少年は叫びながら何千メートルも落ちていく。 その様子に女…グリスはケラケラと笑いながら少年に叫び返す。 「言葉の意味知らないくせに言ってんじゃないよ!ビッチじゃなくて師匠ーでしょー!! シェ・ル・タ」 そうしてパチンとウィンクをかましてみると少年、シェルタは見えたのかそれとも何かを感じ取ったのかピキッと額に青筋を浮かばせると少年特有の声変わりをしていない高い声で怒鳴り声を上げながら下にある森の中へと姿を消した。 「クソビッチがぁああああ!!!」 グリスは高笑いをするだけだった。 それから真上にあった太陽が隠れ始める夕暮れ時にシェルタは3回目の崖を登りきった。つまり3回目蹴落された。 「もっ…むり。」 地面に倒れ込むシェルタにグリスは笑いながら声をかけた。 「やるなぁシェルタ、流石私の弟子だ。その歳でこの“終幕の崖”を登るなんてそうそういないぞ?」 「…」 「10歳でやるとは…大の大人でもそうそう登りきれたもんじゃないのに…まあ、私は6歳で登りきったけどな!」 「……」 「―――…おや」 返事をしない倒れたままのシェルタを怪しんで顔を覗き込めばシェルタは顔に疲労を浮かべながらすぅすぅと寝息をたてていた。 そんなシェルタに苦笑いしながらシェルタを抱き起こし背中に抱える。 「ちょっとやりすぎたな」 体は傷だらけ服はボロボロ、それをちょっとですませるグリスは普段これくらいにシェルタに修行をさせているのだろう。
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