第二章 嫉妬

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第二章 嫉妬

眩しい光に包まれると 夢は色とりどりの花畑の中に居ました 花畑には美しい容姿の人が沢山居ます 夢は黒から逃げ出せた事が嬉しくて花畑の中を人の居る方へ駆け出します しかし、人々は夢の姿を見ると顔を真っ青にして叫び、逃げ出しました 何故なら夢の容姿が酷く醜かったからです 夢は悲しくて悲しくて泣きそうです だけど夢は閃きました 自分もあの人間達と同じ様な姿になればいいと 夢はそっと目を閉じ、イメージします 夢は怖気ながらも目を開きました 目の前には大嫌いな黒色がありました それは夢の髪です 夢の姿は髪も瞳も真っ黒でした だけど夢の容姿はとても美しい子供の姿に変わっていました それは花畑の誰よりも美しい姿でした 花畑の人々はうっとりとした顔で周りに集ってきました そして次々と夢を褒め始めました 「なんて素晴らしい姿なんだ!!」 「目も髪も宝石のよう」 「神の為のお人形だわ!!」 そう言ってくる花畑の住人は満面の笑みを浮かべます 夢はあまりにも褒められすぎて少し怖くなりました 夢は出口を探そうと視線を泳がせると 端正な顔をいびつに歪め、恨めしそうに睨んでくる人たちを見つけました 夢は今度こそ怖くなって花畑の住人を掻い潜り 美しい花々を蹴散らしながら走り抜けました 走り抜けた先に青い扉を見つけました 青い扉には何やら文字が書いてありましたが夢はそれどころじゃありません 青い扉を押し開け勢いよく飛び込みました
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