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「なぁマリア…」
「あら?どうしたの?」
「俺なんでこんなことしてるんだ…」
マリアの目線の先には、箪笥を運びながらげんなりとしている瑠金がいる。今2人はマリアの部屋の引っ越しの支度中である。
マリアは瑠金から勧められた物件の手続きを進めていて、それに対して瑠金は荷造りを手伝わされている。
「あ~!!!」荷物を投げ出す瑠金に「さっき乙女の心傷つけたこと忘れちゃったの?」と笑みを向けると、観念したのか素直に荷物をかき集め始める。
「それにしても、マリアの服ありすぎじゃね?」
「あら、女はこれくらい持っているわよ。あ、チャイナ服もちゃんと買わないとね。せっかくだからオーダーメイドにしようかしら」
「そんなにいらないだろ…女ってわかんねぇなぁ~」
不思議そうに段ボールに服を詰め込む瑠金に笑みをうかべながら、PCに向き合っていると突然携帯音が鳴る。
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