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「ねぇ、ケイちゃん。どうしてほんとのこと話さなかったの?」
サチの問いかけに、ケイスケはぴたりと歩みを止めてこう返す。
「言ったところで聞かねーだろ。それに……」
言いかけた台詞を溜飲し、サチの左肩に付着していた朱色を準える。
「分かってる」と口の端を緩めた。彼の行動は自分たちの為なのだと。
背後で落ち葉を踏み締める音がし、振り返る。枝葉を割って現れたのは、カスミたち四人だった。
「なんだ。お前ら、戻って来たのか?」
先頭にいたツカサの姿を目視し、ケイスケは安堵の息を吐きながら言った。
「あぁ。あれっ、もう一人は?」
「――! ショウ!?」
先刻まで共に歩いていたはずのショウがいないことに気づき、雑木林の中を見回す。
「まさか、あいつ……」
何か心当たりがあるのだろうか。ケイスケはカスミたちの横をすり抜け、細く二手に枝分かれした小道へと下ってゆく。
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