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放課後の美術室、悠李(ユウリ)は扉の前で深呼吸する。
部活の会議に思ったよりも時間がかかってしまった、流石の美玖(ミク)も今日は怒っているかも知れない。
思い切って扉をガラッと開けると、イーゼルの前で物憂げに思案する美玖が見えてドキッ……っとした。
部活終了時刻はとうに過ぎていて、美術室には彼女しか残っていない。
「あっ、悠李ちゃん。 陸上部の会議終わったの? 」
ふんわりと向けられる砂糖菓子のような笑顔。
頬が熱くなるのが分かり、悠李は急いで顔を背けた。
「もう、何やってるの? 部屋、暗いじゃない。 電気くらい付けなさいよ! 」
ドキドキとする胸の音をごまかすように、悠李は教室の明かりを付ける。
「ごめんね、こんなに暗くなってるなんて気付かなかった。 急いで帰る用意するからね 」
美玖が、イーゼルの上に布を掛けた。
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