prologue

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おかしいなとは、思ってたんだ。 でもそれは、私と話しているのを見られるとからかわれるとか反感を買うとかそう言う理由だと思ってた。 彼は、他の誰も見ていないところでしか話しかけてこなかった。 最初は、塾に向かう道のりで話しかけられて、それは偶然だったのだと思うけれど。 それ以後は、私が素っ気なくしてもお構いなしに学校帰りや昼休みに私が本を借りにいく図書室で。 図書室は普段から余り利用されていないから、カウンターに当番の図書委員がいるだけだ。 本棚の陰に隠れてしまえば、見られることもない。
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