第二章

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「鳥じゃねえ?」 「違うよ、デカすぎるじゃん」 「じゃあなんだよ、人か?」 「羽が生えてるぞ? それに、あの格好、変じゃん」 「あ、天狗?」 「天狗!?」 唯織は一気に駆け出した。 木の間をすり抜けるように一気に走る。 「あ、逃げた!!」 「捕まえろ!!」 唯織はもう一度地面を蹴ったが、やはり少しとんだところで落ちてしまう。 「何でだよ!!」 そう言った時、唯織の頭に何か固い物が投げつけられた。 大きな衝撃が後頭部に走り、唯織はもんどりうって倒れる。 「当たったぞ!!」 「さすがエース!!」 「捕まえて、みんなに見せてやろうぜ!!」 そう口々に言いながら小さな悪魔は近づいてくる。 逃げようとするが、体が動かない。 「やめろ……」 その時だった。 何かが唯織の体を掴んだ。 そのまま空高く舞い上がる。 「あ、逃げたぞ!!」 人間たちの悔しがる声は瞬く間に小さくなって、雲の上まで出るのに時間がかからなかった。
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