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『良かった。
まだ息がある。
』
何とか死なせずに済みそうです。
私は、
指に血液を集め、
彼の口に流し込みます。
吸血鬼の爪と指の間には血道と呼ばれる血液を流す器官を持っているんです。
私は、
自分の血にこの男の人の身体を治すように命令します。
『ゴクッゴクッ』
飲んでくれてるようです。
良かった。
吸血鬼は血液操作の能力を持っていますが、
その能力は自身に限定されます。
他人の血液を操作するには、
血液を送り込む必要があるんです。
ですが、
体内に直接、
吸血鬼の血液を送り込んでしまうとその人間は抗うことが出来ないほどの猛毒で、
吸血鬼の意のまま操られてしまうのです。
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