旅立つ決意

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 しんしんと降り積もる新雪は、灰色を、真っ黒を、全て浄化していくような、純白の粒 。 「一年ぶりに降ったねぇ。これなら、明日には一面銀世界だ」 窓の外を見つめながら、碧眼の少年は呟いた。 「リズ、雪が積もると寒いから、や」    暖炉の前で毛布に包まった少女の、兄である少年に向けた言葉だった。 「そうだね。でも、僕は嫌いじゃないよ。こっちの方が、綺麗だから」 「……パパとママは? いつ、帰ってくるの?」  少女が少年へ体を向き直し、潤んだ瞳で問い掛けた。 「さあね。いい子にしてたら、きっと帰ってく るよ」  何度目ともわからない問答。少年は心苦しく笑った。少女にもわかっていた。
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