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気が付くと、そこは森だった。
…あれ、私、なんでここにいるの?
どうして森にいるのか、どうして倒れていたのか、全く覚えていない。
空は曇っているのに、蛍光灯の下にいるような不思議な色に囲まれていた。
足元は土、周りは木々で覆われていて、隣には切り株が一つ。
今、私がいる場所だけ、森の中にぽっかり空いている場所のように思える。木々はこれでもかと思う程に生い茂っているのだ。まるで、人間の手が及んでいない場所に感じる。それなのに丸いこの場所。そして、一つだけ伸びている道。。。
…私がここを歩いて来たのだろうか。それとも、連れて来られてきたのだろうか。
自然に出来るとは思えないこの場所と道。
そもそもここは一体どこなんだろう。日本。。。だよね?
でも、なんだか、感覚だけど、日本かどうかもわからない。
最初は、土が優しかった。そんな気がした。だから、神秘的な気持ちを抱いていたが、この丸い場所は比較的明るいのに、周りは木々があることはわかる程度で真っ暗に近い。ここから伸びている道は、暗い間接照明で照らされているようだ。こんなにも、場所によって色が違うなんて。。。それに、この丸い場所、円形が本当に美し過ぎる。。。
なんなんだろう、この場所は。
…あれ、ピアスがない。。。
こんな状況にも関わらず、私はピアスがないことに気持ちを奪われていた。
確かに、ここにいても状況が変わらないのなら、この道を行くのが得策だろうということもわかっていたが、ピアスがないことに不安を覚えた。
…どこで落としたんだろう。。。
特別、大切なピアスでもない。もう片方のピアスを取ってみる。やっぱり。このピアスは。。。どこだったかな、友達とお茶した帰りに路面店で売っていた安物だったはず。
まぁ、普通に付けていたピアスだった。
なのに。
…ピアス。。。。。探さなきゃ。
ここから出るのは怖い。
なんだか、闇が迫ってくるようで。
怖いけど、ピアスが今となっては必要に感じてくる。行かなきゃ。。。
人がいる気配はない。
もうそこに、恐怖はない。今となっては。
でも逆に、人じゃないものの気配がする。。。。気がする。
一人だからだ。そうだ。絶対そうだ。そう思い込まなければ、ここから出られない。
なんだろう。森の童謡を思い出した。
フンフン。。。フフフン。。。。
鼻歌、唄ってる、私。。。。。
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