第1章

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気が付くと、そこは森だった。 …あれ、私、なんでここにいるの? どうして森にいるのか、どうして倒れていたのか、全く覚えていない。 空は曇っているのに、蛍光灯の下にいるような不思議な色に囲まれていた。 足元は土、周りは木々で覆われていて、隣には切り株が一つ。 今、私がいる場所だけ、森の中にぽっかり空いている場所のように思える。木々はこれでもかと思う程に生い茂っているのだ。まるで、人間の手が及んでいない場所に感じる。それなのに丸いこの場所。そして、一つだけ伸びている道。。。 …私がここを歩いて来たのだろうか。それとも、連れて来られてきたのだろうか。 自然に出来るとは思えないこの場所と道。 そもそもここは一体どこなんだろう。日本。。。だよね? でも、なんだか、感覚だけど、日本かどうかもわからない。 最初は、土が優しかった。そんな気がした。だから、神秘的な気持ちを抱いていたが、この丸い場所は比較的明るいのに、周りは木々があることはわかる程度で真っ暗に近い。ここから伸びている道は、暗い間接照明で照らされているようだ。こんなにも、場所によって色が違うなんて。。。それに、この丸い場所、円形が本当に美し過ぎる。。。 なんなんだろう、この場所は。 …あれ、ピアスがない。。。 こんな状況にも関わらず、私はピアスがないことに気持ちを奪われていた。 確かに、ここにいても状況が変わらないのなら、この道を行くのが得策だろうということもわかっていたが、ピアスがないことに不安を覚えた。 …どこで落としたんだろう。。。 特別、大切なピアスでもない。もう片方のピアスを取ってみる。やっぱり。このピアスは。。。どこだったかな、友達とお茶した帰りに路面店で売っていた安物だったはず。 まぁ、普通に付けていたピアスだった。 なのに。 …ピアス。。。。。探さなきゃ。 ここから出るのは怖い。 なんだか、闇が迫ってくるようで。 怖いけど、ピアスが今となっては必要に感じてくる。行かなきゃ。。。 人がいる気配はない。 もうそこに、恐怖はない。今となっては。 でも逆に、人じゃないものの気配がする。。。。気がする。 一人だからだ。そうだ。絶対そうだ。そう思い込まなければ、ここから出られない。 なんだろう。森の童謡を思い出した。 フンフン。。。フフフン。。。。 鼻歌、唄ってる、私。。。。。
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