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帯をほどくと、滑らかな陶器色の素肌が現れて、浴衣の他は何も身に付けていなかった事が分かる。
ユキは、浴衣を大胆にずらすと肩の下の所で止め、念の為動きが封じられるよう袖を外さずにおいた。
【‥っ…‥ユ、キ‥】
最近ようやく一緒のお風呂タイムなどで見慣れてきたそれとは違い、こういう見方をするのは初めてで実に新鮮だ。第一、なんと云っても彼には浴衣や着物が本当に良く似合う。これは女の子に負けたくないからと彼が日本舞踊を選び、着物姿で大きな扇子を片手に舞う練習を始めたのを見た時から実感していた事だ。が、その浴衣姿で、また少し大きくなった彼が理想通りの可愛さでこういうシチュエーションを用意してくれて今、自分の腕の中で無抵抗を続けてくれているなんて…‥。昔のアレが、嫌悪だらけの汚れた体験だったとしても、一度オトコに目覚めた側としては、ここまでパーツが揃っていたら、簡単に火が灯いて、消せなくなっても当然だ!
「…大きくなった分、いいよ…‥‥陽菜。」
【ん‥‥っんっ!?】
本に書かれていた通り、両頬を捕らえて相手の顔を少しもたげさせて口づければ、解説通り、より深く奥の方までキスを堪能し、味わう事が出来た。
「いい子にしてて?」
そのまま唇を移動させて耳たぶや外耳、その奥の方まで舌と唇を使ってキスをしてみれば、やはり本の通りにされている側の陽菜が反応を示し、頬を薔薇色に染めて甘い声を溢しながらピクピクと可愛らしい動きを見せてくれる。
【ひっ!?‥っ……みみ‥‥やあぁッ】
顔を反らして許されるだけ身を捻り、やがて視線だけ向けてくると、涙ながら懇願してくる。
【お願い…‥っ、みみ‥‥もぅやめて……‥?】
切な過ぎて儚くて、なんて良い眺めだろうと知る。
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