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咲良ちゃんには訊けない
私はそこまで踏み込んだ事は訊けない・・・
成宮と咲良ちゃんとはまだ知り合ったばっかりだし
すごく気になるけどそんな事ずうずうしく訊けないよ?
†††
「・・・そういえば成宮くんは?まだ帰って来てないの?」
「あ・・・気になります?・・・っていうか聞きたかったんですけどぉ、渉にいとはどういう関係で?」
「どど、どういう!?」
桃花は口に含んだ高野豆腐を思わずごくっと飲み込んでしまった。
「咲良さん」
実加子さんが咲良をたしなめるように見ながらお茶を置いてくれたから私は助かったとばかりにお茶を飲む。
「ただの・・・クラスメイトよ?」
「そうかなあ?基にいから連れ去って行った時の渉にい見たらそんな感じには見えなかったけど?」
そ・・・そうかな?
「第一ここに連れてきた女子は桃花さんが初めてだよ?あんな無表情だけど基にいとそっくりなイケメンでしょ」
「そうね、雰囲気は違うけど似てるわね」
「でしょ~?私だけ似てないんだーお父さん違うから!」
え・・・っ?
今・・・何て!?
あまりにショッキングな言葉が咲良の口から出て桃花は固まってしまった。
「咲良さん?夕食時にそんな話は・・・桃花さんも困りますよ」
「いいじゃないっホントの事だもん・・・ね、桃花さん」
「え・・・っと私その話は知らなくって」
ど、どうしようっ?
こんな話聞いちゃっていいのかな・・・
咲良は立ち上がってテレビのリモコンを手に取り、スイッチを押した。
時間的にちょうどバラエティ番組をやっていた。
「あれ・・・お母さんよ」
え・・・お母さん・・・て?
そこには司会のお笑いタレントや番宣で出演している俳優やアイドルが出ていた。
「神条あかり(かみじょうあかり)。あの人がお母さんなの」
『神条あかり』といえばデビュー当時はアイドルで今や実力のある有名女優だ。
確か36歳くらい?だったかな・・・
言われてみれば成宮と基さんは『神条あかり』に似ている。
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