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璃杏の少し俯きがちに思案する真剣な瞳と長い睫が影を作って桃花は思わず見惚れてしまう。
貌は目鼻立ちバッチリでお母様が子供の頃持ってた清楚系の『リカちゃん人形』に似てる・・・
可憐で清楚で物腰柔らかで・・・女のコって感じ。
私が男だったら即告ってるな・・・?
「そんなに成宮の事見てるって事は好きなの?」
「ええっ!?そんなワケないでしょ!」
・・・ん?
「でもさあ・・・留年しないように気に掛けるなんて何とも思ってなかったらフツウしないよ?」
「私は理事長の姪としてっ・・・」
「まあ確かに成宮ってイケメンよね・・・助けてあげたくなる気持ちわからなくもないかな~・・・」
「何とも思ってないわよっ!!成宮なんて!!アタシは今まで誰も好きになった事なんてないんだからっ!」
やった・・・!
お嬢様崩壊した~っ!
私と似てるわ・・・城戸さんっ!
「・・・璃杏お嬢様?言葉とお顔が乱れています・・・」
海吏が璃杏の横からさっと手鏡を見せた。
璃杏は鏡に映った自分の表情に驚くと、慌てて指で口角を無理やりぐっと押し上げた。
「・・・ともかく、私に私情はありません」
「申し訳ありません、璃杏お嬢様は何でも首を突っ込むお節介な所がありまし
て・・・私が見る限り成宮様の事はただのクラスメートだと思います」
海吏が無表情で事務的に言葉を添えた。
「あ~もうっ余計なこと言わなくていいってば!!」
「ふふっ・・・城戸さんって面白い。気取ったお嬢様かと思ったら・・・」
「あら?貴方だって相当気取ってますわよ?」
ププッ・・・その話し方が気取ってるのよっ
桃花はいつまでも隠そうとする璃杏が可笑しくて笑いを堪えきれずにプウッと吹き出した。
「ちょっとおっ!?」
あ・・・また素になってるっ?
「あ、そうだ。これから週に2回成宮の妹さんの家庭教師をすることになったの」
「えっ?何でそんな事に!?」
「実は成宮にも城戸さんと同じ理由で脅されてるの。・・・まあ登校拒否治すのにはちょうどいいし?」
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