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「あー・・・週1でジム行ってるからかな?」
ジムじゃなくて合気道の道場なんだけど。
碧に説明しながら桃花はまた運動場や生徒達が集まっている所などを目で追う。
・・・いない?
さっきまでいたのに・・・
まさか・・・途中で逃げた?
「そっか~それで桃花そんなに細いのねっいいなあ・・・」
「ねえ、成宮くん見た?運動場にいないみたいなんだけど・・・」
「成宮くん?うーん・・・わかんなーい」
「ちゃんと練習してもらわなきゃ私・・・困るわ」
桃花がキョロキョロと探していると、芝生の上で座って休憩していた璃杏が「桃花」と声を掛けた。
「成宮くんならさっき走り終わった後あっちの方へ歩いてたわよ」
「璃杏ありがとうっ、行ってみるわ」
私が走っている間に何処行ったのよ~?
体育祭も鷺ノ宮祭も楽しみたいんだからっ
高得点取って絶対罰ゲームは免れてやるわ!!
「璃杏、いつの間に名前で呼び合う仲になったの?」
桃花が渉を探しに行った後、彩はようやく呼吸が落ち着いてきたのか璃杏の隣に腰掛けた。
「ん?・・・フフッ、さあね?」
「ズル~いっ!中等部も一緒なのに何で私は『碧ちゃん』なのおっ?」
「碧ちゃんだって私の事『璃杏ちゃん』って言うじゃない?同じよ?」
璃杏は碧の元気でいつも動き回っている姿を見ていると、璃杏の中の碧はいつまで経っても小さい頃からのイメージそのままなのだ。
「アンタ達が小学校も同じとは皆知らないからね。傍から見れば碧が馴れ
馴れしいだけにしか見えないわね?」
「ヒドイっ、彩っ!」
碧はクラスの男女問わず話しかける広く浅く友達とつき合うタイプのため、特定の親友というのはいない。
グループやペアを決める時も特に考えず、だれとでも組めてしまう八方美人だ。
そんな碧が見た目が美人でツンとして見える桃花にやたらと絡んでいる。
成宮くんといい碧ちゃんといい、桃花には惹きつける何かがあるのかしら?
・・・まあアタシも桃花の事は結構気に入っちゃってるんだけど。
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