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・・・寝るの超早っ!?
やがて渉の手の力が抜けていくと桃花は渉の手から完全に自由になった。
「成宮・・・寝たの?」
また急に掴まれるのも嫌だから桃花は恐る恐る声を掛ける。
渉の鼻からスーっと寝息が聴こえてきて
桃花はほっと胸を撫で下ろした。
・・・って寝かしてどうすんの!
体育サボらしたらダメじゃんっ?
こんなに早く寝ついちゃうなんて・・・コドモか!?
こんなとこで無防備に寝てるの見たら、まだ高校生っぽいところあるんだって思う・・・
教室では“誰も話しかけるなオーラ”出してるくせに
私には言いたいこと言いまくってくれちゃって・・・
何なのっ?
桃花は自由な渉の行動に腹をたてながら渉の寝顔を睨んだ。
それにしても相変わらずキレイな貌・・・
『サガ』様のような切れ長の目・・・スッと鼻筋は通っていて端正な顔立ち。
高校生だけど男のコなんだと実感するきりっと上向きの眉。
改めて間近で渉の貌をじっくり観察して桃花はぽうっと見惚れてしまった。
はっ・・・!
つ・・・つい私のイケメンアニメキャラクターのレーダーが!!
は~・・・マジマジと見ちゃったわ。
桃花は気を取り直してすくっと立ち上がった。
腕時計を見るとまだ授業は半分残っている。
私までサボったらマズイし・・・戻ろ。
ここ・・・日陰のせいか寒いな?
桃花は腰に巻いていた長袖のパーカーを渉の胸の上にかけてあげる。
体育祭を機会にもうちょっとクラスの人達と馴染めればいいんだけど・・・
必要以上に話さないからか皆怖がっちゃって・・・
見た目ほどコワくない人なんだけどなあ?
†††
「今週の土曜日?」
「ウチの会社の東京本社完成記念パーティーがあるの」
「そのパーティーならウチに招待状が届いてたわ。桃花って《恭鳳堂》の社長のお嬢様なのね?」
「うん、そうなの」
今日は家庭教師の日で、渉の家に行く前に桃花はヴィーナスの部屋で海吏にアイスダージリンティーを受け取り、立ったままちゅうっと飲みながらソファに座った2人を見た。
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