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「あっ、桃花さんいらっしゃいっ!」
「こんにちは咲良ちゃん」
「おじゃまします」と一言告げて桃花は玄関に上がる。
咲良の後について廊下を歩いて行くと、お手伝いさんの後ろ姿が見えた。
今日もお母さんいないのかな?
共働きとか?
咲良の部屋に通されて、とりあえず白い皮張りのソファにちょこんと座る。
すぐに咲良がアイスティーを持って部屋に入ってきた。
「どうぞ~?ノド渇きません?」
「ありがとう、いただきます」
咲良は桃花の貌をじーっと見つめてフフッと笑う。
「ん?なーに?」
こんなに見つめられるとドキドキしちゃうし・・・
今日で2回目なのに遠慮しないコだなあ?
「いえ、美人だなあ~って」
「え・・・」
「髪も瞳も色素薄いけどハーフですかぁ?」
「母がハーフで祖母がフランス人なの」
「そーなんだぁ!どうりでお人形みたいに可愛いワケだ~」
「そ、そう?ありがと・・・でも咲良ちゃんの方が可愛いわよ?」
思ってることすぐ言っちゃうタイプかな?
素直でカワイイ・・・兄2人に見習って欲しいくらいだわ
「普通ですよ~!あの2人の方が美形だし私なんて全然目立たないんです」
・・・まあ兄があの2人だとそうかも
「何度手紙やらプレゼントやら頼まれた事か!・・・モテる兄を持つと苦労
しますっ」
うん・・・それは私にもよーく理解できる
桃花にも甘いマスクでモテモテの兄、晴臣がいる。
桃花の場合中・高は周りが女子だらけで晴臣を知っている女子は少なかったからそんな面倒はなかったが・・・
17時半から1時間半、教科書と参考書を主に咲良に勉強を教える。
桃花の父には火・木はマナー教室に行くからという理由で帰宅時間が遅くなると晴臣に説得してもらった。
咲良ちゃん理解力あるし教えるの楽だな・・・
さすが医者一家ね~
「そろそろ時間だし終わりにします?」
壁に掛かった時計を見ると18時45分・・・
今日は初日だしいいかな・・・
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