キスフレ2nd Vol.14

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すでに、駅の時計の針は1時を超えていた。 電光掲示板は、電源が落ちて真っ黒で、普段映し出されている文字がない。 どうやら、本当に最終電車が行ってしまったようだ。 慌てて鞄をつかみ、駅の階段を上りかけている上司の背中に大声で声をかけた。 静まり返ったプラットフォームに私の声が響く。 「すみません!付き合わせてしまって! こうなったらとことん付き合いますから!」 「そうだなあ....。話したいことも山ほどあるしな」 「う!説教!???」 「確かに、お前にはいろいろ教えなくちゃならないことありそうだな」 そして、軽々とした足取りで彼は改札へと向かっていく。 その背中を駆け足で追いかけた。
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