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「かんぱーい」
わたしが言った言葉に、不満そうな表情で、グラスを持ったまま微動だにしない東雲リーダー。
とりあえずのビールを飲んで、気分転換にかかる私をじっとりとした眼が
眺めている。
「気楽なもんだな。
あんな目にあっておきながら、ビール飲んで、幸せそうな顔してる
お前の神経の図太さは、尊敬の域に達してる」
「そういわれましても、人間前向きに生きないと、
生きていけないじゃないですか。
それとも、エンドレスに、泣き続けていたほうがよかったでしょうか?」
突き出しのたこわさびに早々に手をつけながら私が答えると、
あきれた表情で大きくわざとらしい溜息をわが上司はついた。
「おれは、お前が泣きまくるから、
一人放置できずに、そばにいてやってだな、
飲み屋に入ったのだって、
まだ引きずっててつらいだろうからと思って、
配慮してやったっていうのにな。なんだか気が抜けたぞ」
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