585人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「知ってどうするのです?
お館様に関すること、そんなに知ってどうするのです?
どこかの間者かと疑われますよ。」
「私には、なんの裏もありませんよ。
私には後ろ盾もなければ、実家もない。とりたててほしい子どもも兄弟もいない。
ただ私が強く欲するのは、お館様ただおひとり・・・。
お館様は、昨晩、光秀様と会われた後、お怒りになったとおっしゃったのは力丸さまではございませんか?
私の大好きなお館様を怒らせてしまう光秀様・・・。どうしても会いたいのです。」
「会ってどうするのです?」
「私の愛するお館様を困らせないで・・・と泣きつきますよ。」
と笑って優しくこちらを見つめる美加に、力丸も吹き出してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!