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「・・・ですか・・・。」
力丸は笑いをこらえてどうにか言葉を発した。
「美加姫にはわたくしが天守閣の一番下で菓子でも振る舞いましょう。
しばらくしたら、お越しください。」
光秀の居場所をいうわけにはいかない、小姓の力丸の心遣いに美加はゆっくりとうなづき、
「では、幼いわたくしは、お菓子をいただきにあとでまいります。」
「幼いとはいっておりませんよ。菓子は、万人が好みますゆえ。」
と美加を優しくみつめて、力丸が微笑んだ。
二人は茶室をあとにした。
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