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「や、止めてくれ!」
テロリスト組織"アイゼンハイド"。
構成員62人の危険な組織の拠点内で地面に尻をついて命乞いする中年の男に銃を向けている。
周囲には飛び散った鮮血と何十人と倒れている骸となりはてた人ばかり。
そして銃を向けているのは大人びた15の少年だった。
「金ならやる!私だけでも見逃してくれ!」
「俺は金に興味はない。だが貴様らの組織幹部の情報を吐けば命だけは約束する」
抵抗し命を捨てるか情報を吐いて身柄を拘束されるかの2つに1つ。
一瞬だけ迷った様子で間を置くが男は人差し指でデスク上のパソコンを指す。
「そ…そこに情報がある」
「信用ならん。貴様の口から吐け」
「詳しい事は知らないんだ!だがデータには全て登録してある、嘘なら殺せばいいだろ!?」
必死に訴える男に向けられていた銃がゆっくり下ろされた。
銃口から解放され更に少年は背を向けてデータを調べ始める。
馬鹿な奴だ…!
懐に隠していた拳銃にゆっくりと手をかける。
音が無ければ気づかれる事はない。
照準を少年の後頭部に合わせ引き金を引いた直前、男の指を引くより速い動きで振り返り瞬時に向けた銃口から光が放たれた。
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