始まりの朝

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  しばらく頭を捻って昨日のことを思い返してみたけど、やっぱり今日のことについて、指示を受けた記憶がない。 「んーと、ご自由に?」 「んなわけねぇだろ」 ぽやーんと結構真面目に答えたら、バッサリ切り捨てられた。 「でもなんにも言われてないよ?」 口を少し尖らせながら言う。 本当になんの指示もなかったんだから、仕方がない。 それなのに、同室者は残念な子を見る目でボクを見下ろしてくる。 絶対、ボクが言われたのに忘れたと思ってるよね。 「はぁー。しかたねぇ。二十分前に行けば間に合うだろ」 「……」 深い溜め息をついて言う同室者。 だから、もともとなんの指示も出てないんだってば! ぷくーっと頬を膨らまして、不満げに彼を見上げる。 だけど同室者はそんなボクを知らん顔して、食事を再開。 「ほらチビもさっさと食え。おっきくなれないぞ」 「チビじゃない!」 「はいはい。わーったから早く食え」 「~~~っ!」 ちくしょう! ワンコのくせに! 適当にボクをあしらう彼をキッと睨み付けてから、ボクも食事を再開した。 ○ ○ ○ 「用意できた、か……」 「できたー」 「……」 同室者の彼が作ってくれた朝食を、彼の倍かけて食べ終わって、 片付けると言う暇も与えられずに、おっきいワンコみたいな彼に、準備してこいって部屋に追いやられて。 おとなしく学校行く準備して、彼の前に立ったんだけど……。  
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