第1章

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 こういう、油断こそがお転婆なんだとステファンスは よく注意していた。活発で勇気と度胸を兼ね備えた、 冒険心あふれる女性を、お転婆とは言わない。  反論があるなら、不思議の国へ行ったアリスや オズへ旅したドロシーを批難して時間を無駄にすればいい。  仮にだがこの世に魔法があるとすれば、知の理を司る、 レディが扱うモノだ。男の仕事は兵隊と玩具弄りだ。 だが、それはそれで誇りあるものだけどな。っと。 「すいません。何かモノローグにご様子ですが。 急ぎますのでお話を宜しいでしょうか。」  虎猫が遠慮がちにいうので、あたしも我に戻ってから、 一言、「喋るのは黒猫だけじゃないんだね。」と言った。  すると虎猫はやたらと憤慨して言った。 「あたくちは、あんな気取りやプレイボーイとは違います! 大師匠様のウィズ様に対して、猫の時だけ紳士ぶって! オズマ様に戻ったら、知らんぷり!あれでは無礼です!無礼!」  むしょうに”アタクチ”がおかしかったので、笑いを堪えて、 「ああ、そうかそれは、ごめんね。アンタはレディなんだね。」 「申し遅れました。リクラッカを守護する大魔女オズマ様の 一番弟子であり、花も恥らう乙女にあります。バルドと 申します。どうぞ宜しくお願い致します。」  香箱座りで礼をされた。こういうとき勘ってのは嫌だなぁ。 この子は、ディルの黒猫に惹かれてる。だから飼い主ディルに 少し反発して自分の主を、とても大事にしている。  いい仔猫なんだ。違うか。レディなんだね、お嬢さん。  さぁ、どうぞ。 「話を先へ進めます。ステファンス様が行方不明になったことは 必然的に、ご存知のはずです。王城内では、迎賓として保護した ”CATBAR”被害者様の情報漏えいは、無い事になってます。 従ってステファンス様、パケット様、アリアナ様のお三方にだけ 詳細が連携されるように、あたくちオズマ様より仰せつかって、 皆様へご連絡する手はずでしたが、敵に先を越されました。  ステファンス様は、オズマ様が救出されました。アリアナ様は ご存知なので、お教えしいますが現在ディアスプロ王女は、 図書館の最深部に所蔵されている、2冊の魔法書物から、とある 魔法を独自学習されています。王妃であられる、オズマスロ様は 結界の継続為、最重要国家機密扱いとなり、王城の内外問わず、 秘密になっていますが、結界がある事はイコール王妃様の無事を
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