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まさか、こんな形で次に篠田に会うなんて思わなかった。家に帰ればいつもどおり、僕をからかって笑う篠田に会えると思っていたのに。
「馬鹿……馬鹿篠田! なんで僕なんか……僕なんか庇ったりしたんだよ……なぁ! 起きろって! いつまで寝てるんだよ!」
そっと肩に触れてみるがピクリとも動かない。僕はいつの間にか流れていた涙を拭うことも忘れて篠田の身体を揺さぶった。
「くそ! 篠田! あんた、僕のこと好きだって言っただろ!? その返事聞かないで死ぬなんて絶対に許さないからな! 僕だって、僕だって……あんたが好きなんだよ! おかしくなるくらいに……あんたが好きで……」
好きな相手が死んでからようやく自分の気持ちを告白するなんて、僕はどこまで間抜けなんだ。
「好きなんだよ……あんたがいなくちゃ、ダメなのに……」
これからまた一人になってどうやって毎日を過ごしていけばいいのかと思っていたその時だった。
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