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「ふぅん、それで? ようやく両思いになった暁に、そのラブラブっぷりをこの俺に見せびらかしたかったわけ?」
「ち、ちちち違うって! そんなんじゃ……」
「俺だって暇じゃないんだけどなー」
病院に連れて行こうとしたが、篠田は子供のように絶対に行かないの一点張りだった。しかたなく僕は後藤にホテルまで来てもらうことにしたのだが、朝から出張させられて後藤は少し不機嫌そうだった。
「本当に悪いと思ってるよ、朝から……ちゃんとお金は払うから」
「嘘だよ、冗談だって。安田も怜司が生きてるって勘づいたみたいだ。だから安心してたよ」
「え……? どうしてわかったんだ?」
「だって、撃たれたのに血が一滴も出ないのはおかしいだろ?」
「へ……?」
あ……そういえば。あぁ! そうだ。確かにあの時、気が動転して完全に篠田が撃たれたと思い込んでいた……なんだよ、知らずに馬鹿みたいに大泣きしてたのは、僕だけだったのか……恥ずかしい――。
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