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再び部屋には僕と篠田だけになってしまう。
「大河……来い」
「……嫌だよ」
そんな甘い声で僕を呼ばないでくれ……僕は自分に弱いやつだから、きっとまた篠田が欲しくなる――。
「これから何があっても、お前のこと……俺が守ってやるから、だからずっと傍いてくれ」
そっと腕を引かれ、嫌だといったんは拒んだものの、すんなりと篠田の胸に抱きしめられてしまう。
「守られてばかりなんて嫌だよ、たまには僕にだっていい格好させろ」
「こいつ……」
あぁ、また僕の好きな篠田の笑顔。この笑顔をずっと僕に向けてくれるなら、僕はずっとあんたのそばにいるよ――。
僕をを見つめる篠田の瞳は曇りひとつなく澄んでいた。それはまるで綺麗に晴れ渡った空のようだった。 END
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