ケダモノ刑事の甘い独白

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 今日はクリスマスだ。  大河と付き合いだしてすでに数週間が経とうとしている。  最近起きた窃盗事件が困難を極めていたせいで、家に帰れずずっと仕事に追われる日々を過ごしていた。しかし昨日になっていきなり犯人が出頭してきたので、あっけなくこの件は片付いた。 『仕事頑張れよ。僕のことは二の次でいいからさ』  携帯を見ると、大河からそっけない短文のメールが入っていた。そろそろ仕事が終わるとメールを先ほど打っておいたのだが、その返事がこれだ。  もっと可愛げのあること言えねぇのかよ――。 「あぁあぁ~~っ」  切れた煙草の箱をぐしゃりと握りつぶし、ゴミ箱へ投げ入れると後輩の金山が声をかけてきた。
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