ケダモノ刑事の甘い独白

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「そういえば安田さんはどうしてるかな?」 「あぁ、あいつか」  安田は劉の事件が片付いた後、ベットノワールを再建するために奮闘していた。未だに劉派の残党と揉めたりしているらしいが、今では安田がヘッドとなり統率している。  それに、安田の意向でベットノワールは警察のバックについて捜査が円滑に行くように協力する組織として活動することを決めた。初めは警察側と弁護側なんて相反するものだと鼻で笑ったが、それは裁判の時だろうと逆に言い返された。問題の劉は、刑務所に入って自分の犯した罪の重さを背負いながら償いの日々を過ごしている。 「あのさ、聞いて欲しいことがあるんだけど……」 「なんだ?」 「いつか僕の実家に一緒に行かないか?」  実家に? ってことは大河の親に会うってことか――?   正直言うと、俺はこいつの身の回りの事を何も知らない。家族が何人いて、実家がどこにあるのかさえ知らなかった。
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