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「そっか、瑠夏もここに視察に来るとかなんとか言ってたけど……すれ違いのようだね」
「えぇ……」
「瑠夏と何かあったのかな?」
見透かすような朝比奈社長の視線に、紅美は嘘でもいいえとは言えずにただ黙って俯いた。そして、再び昨日の険悪な光景が脳裏に蘇ると、ひとりでに瞳が濡れだした。
「ちょっと、今日時間あるかな? よかったら私に一日だけ君の時間をくれないか?」
「え……?」
俯いた顔をあげると、朝比奈社長は心配するなというふうに優しく笑った。
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