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(好きな女性……)
朝比奈社長の言った好きな女性の意味と自分自身を重ね合わせて見るが、紅美はブンブンと首を振り、そんなことがあるわけがないと否定した。
「それで? こんなことを聞くのはデリカシーがないって思うけど……皆本さんは瑠夏のことが好きなのかな? もちろん特別な感情で」
「そ、れは……」
ここは自分の気持ちに素直になるべきだと直感で感じた。誤魔化しても意味がない。
「はい。私……朝比奈さんのことが好きです……傲慢でどうしよもなく子供みたいなところとかありますけど……」
「そうか、それを聞いて安心したよ。君たちのことはできるだけ応援したいから」
「朝比奈社長……」
「君は素直でいい子だ。正直、瑠夏なんかにはもったいないと思ってたりもする。瑠夏に飽きたらいつでも私の所へおいで」
冗談交じりの朝比奈社長に紅美も思わず笑みがこぼれた――。
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