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「二週間前くらいだったかしら、切羽詰まった感じのおばさんが私をインターネットか何かで調べたらしくってね、高価買取してくれるんでしょ? いいものがあるからって手渡されたのが皆本紅美さんのネックレスだったわけ……私もびっくりしてね、買い取るときは必ず身分証を提示してもらうんだけど、皆本って苗字でまさかって思ったらビンゴだったわよ」
「それで?」
「それでって、ただそれだけよ? まさか、買い戻したいなんて言うんじゃないでしょうね?」
「……――」
図星を突かれた朝比奈は、バツが悪そうに顔をしかめた。そんな様子に葵は目を細めてため息を付く。
「あ~いやだいやだ。瑠夏、あなたあの子と出会って変わったわね……なんていうか不抜けた感じ」
「あいつのことは関係ない。けど……あいつが現れなかったら、いつまでも指輪のデザインをしないままだったかもしれないのは事実だ」
「あの子のことが好きなの?」
「……あぁ」
葵の問いかけに逡巡したあと、朝比奈は小さく頷いた。すると、葵はがっくりと項垂れて頭を抱え込んだ。
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