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（余計なことは聞かないほうがいいよね……）
「どうしたんですか？」
『明日、指輪の発表と会見がある。今からメールするホテルに来てくれ。必ずだぞ』
「え……？ あ、ちょ――」
急いでいたのか、朝比奈はそれだけ言うとせわしなく電話を切ってしまった。
（もう少し声、聞きたかったのにな……）
そんな風に思っていると、早速携帯にメールが入る。ファイルを開くとそこに記されていたのは、会社から程近くにある“グランドールホテル”という高級ホテルだった。
（もう……朝比奈さん、一体何を考えてるんだろう）
呼ばれてもいないルチアシリーズの会見にいきなり来いと言われ、紅美はなにがなんだかまったくわからないまま、通話の切れた携帯をいつまでも見つめていた――。
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