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屋上へ行くと、一足先に葵がいた。ヘビースモーカーな葵は、すでに二本目の煙草に火をつけようとしていた。
「すみません。お待たせしました」
「んーん、待ってないわよ~呼び出したのはこっちなんだから、悪いわね仕事中に」
「いえ……」
(あれ? 葵さんってこんな人だったっけ……?)
その角が取れたような葵の柔らかな口調に、紅美は前回とは違った印象を覚えた。
「いい天気ね~」
「そ、そうですね」
「こういういい天気の日にはパーっとどっかに遊びに行きたい気分ね」
なかなか本題に入らない葵に紅美がやきもきし出すと、そんな紅美に気がついたのか、葵はクスッと笑った。
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