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「結構芯が強そうな子じゃないの、瑠夏に傷つけられたことがショックでうじうじしてるようだったらもう帰ろうかと思ったわ」
「あの……一体何のことですか?」
「女は打たれ強くなくちゃね。はいこれ、合格者にはもれなく賞品がついてくるわよ」
葵がポケットから取り出して、紅美にキラリと光るものを手渡した。
「こ、これ!」
紅美の手のひらに乗っているのは、紛れもなくみどりに手渡したルビーのネックレスだった。
「どうしてこれを……?」
「まぁ、色々あってね~綺麗な石には旅させろって言うじゃない? 結局持つべき者の手元に帰ってきたってわけ」
もう二度と取り戻すことはできないと思っていたネックレスだった。抱きしめるようにそれを握り締めると、葵が紅美の肩をポンポンと軽く叩いた。
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