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「もうすぐ3年生だね、日羽。」
放課後。
小銭を忘れたの、という夏生に100円を貸す。
夏生はそれで自販機でイチゴミルクを買った。
私はコーヒー牛乳。
それを持って、二人で屋上へ。
「来年も同じクラスになれるといいね。日羽がいないと、私困っちゃう。」
忘れ物、私がたくさん貸してるものね。
便利だから困るの?
それでもいい。
夏生と一緒にいられるなら。
「あのね、日羽。気づかない?」
ストローから唇を離し、夏生が私の顔をのぞき込む。
「私、以前はそんなに忘れ物してなかったよ?」
そうだっただろうか。
貸すことが嬉しくて、ほんの少しだけ触れられることが嬉しくて。
忘れ物をしてくれなかったときのことなんて、覚えてない。
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