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「ごめんね猫沢!急に呼び出したりなんかして」
「別に。奢りの話し忘れんなよ」
「ふは、忘れないよ」
その合流場所から、もうすでに人は集まっているらしい合コン会場となっている場所へと向かいながら、久しぶりに会った友人との会話を楽しむ。
「猫沢、最近どう?」
「んー、特になにも。あ、ラーメン新商品だした、食べに来い」
「あ、まじで?行くいく」
「で、木村はどうよ。大学たいへんか?」
「たいへんだけど、楽しいよ」
「そっか」
「あ、猫沢ぁ」
「なんだよ、重い、背中にもたれてくんな歩きにくいだろ」
「彼女は?彼女できた?」
「…うるせ」
「いないんだ、へぇ」
「とか言ってる木村も居ないんだろ?合コン参加するぐらいだし」
「確かに居ないけど、参加したくて参加してるわけじゃないし」
「はいはい、別に言い訳なんかいらねっつの」
「言い訳なんかじゃ、…あ、ここのお店だ」
そういって木村が指さすその店は、確か、最近雑誌かなにかで紹介されていたはず。
あまり乗り気になれない俺は、木村に引っ張られるような形で店の中へと入る。
洒落た内装、暗めの照明、BGMとして店内に流れる軽やかな音楽。
先へと進むと、若い男女のグループが座る大きなテーブルが目に付いた。
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