犬岡くんと猫沢さん

（はじめのいーっぽ）

そしてなぜか女子の間で勃発する犬岡とのトーク権争奪戦。

「飲み物なににするー？」て聞く人をジャンケンで決めるそうだ。なんだそれ馬鹿馬鹿しすぎんだろ。

ふっと横に視線をやると、なにやら緊張気味な漢字の犬岡。

…だよなぁ。飛び入り参加でなあ。男子の空気悪いし、女子は女子であんなんだし。

「あー、…犬岡？」

「え、なんで名前…っ」

「や、さっきそう呼ばれてたから」

初しゃべりで呼び捨ては馴れ馴れしかっただろうか。

少しばかり不安になるが、「そっすよね」と笑顔を向けられた。あ、杞憂だったっぽい。よかった。

「……まぁ、何飲む？」

「あー…じゃあ、カルピスお願いします」

「おっけ」

呑まないんだ、と思っていると、「まだ20歳こえてないんすよね」との声。

まじか。ということは、一つ下なのかね。

ウェイターさんを呼ぶと、俺が注文をしようとしていることに気づいたのであろう女子連中からまたしても睨まれた。まじ理不尽。