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今回のは結構、面倒な事だな。人間ってのはこれだから。
やあ、俺はオプ。名前だ。職業名じゃないけれど、職業も、
猫探しがメインの探偵なんだが。相棒のマッチョヒゲと、
冴えない、儲からない稼業を細々やってる。詳しい事は、
過去の【オプ】の活動記録に、載ってるから興味あるって
珍しい変わった人は、参照して欲しい。
とにかく毎度、自己紹介するのも面倒なので、以後は
これで済ます事にする。俺はオプで漆黒だから手足のみ
純白の♂猫だ。全くダメなオッサンマッチョ探偵の、
「ヒゲッち」に代わって捜査を担当している。
「ヒゲっち」は40絡み元ボディビルダーから転職した
全く不器用で目も当てられない探偵だ。本人は自分が
探偵だと思っているが、俺に言わせれば俺の助手見習い。
その程度でしかない。ああ、ちなみに人間の♂な。
さて。今回の事件、実はいきなりだが既に解決済み。
警察と探偵の決定的な違いなのだが、解決は必ずしも、
人間の気持ちを解決するとは、限らない。
俺の師匠の受け売りだが、師匠についてはいずれまた。
とにかく今回の探し猫【クリーム】は俺さえ
見落とすタイミングで、光の粒になっちまった。
結論が判れば、あとの始末はヒゲがやる。
それが俺達の仕事上の約款のようなものだ。
いつもながら、あのマッチョヒゲが最後に泣くのが
いちいちムカつく。嫌いじゃないけれどムカつく。
で、仕事なので結果に限らず、事実のみを伝える。
当然なのだが、警察と違うのはタイミングである。
今回の依頼主である隣町の二丁目に住む、小学校の
4年生、ユウちゃん。人間の女の子である。
守秘義務がある、個人情報は細かくは言えない。
本名、浅黄夕(アサギ・ユウ)。2年ほど前に
ヒゲっちとコンビを組む事になったキッカケ。
【あんころ餅捜索事件】の時での活躍を担ってくれた、
某姉妹の次女、鈴子ちゃんの友人である。
(詳細は【オプ -Alternation-】参照。)
隣町の事は縄張り的なテリトリーもなく。また、
少し諸事情があって、何の因果か隣町を仕切っている
「ライト」なる三毛猫の♂(レア)に一任している。
説明するのが嫌になる程、面倒くさい猫なのだが、
袖振り合うも多生の縁とは言うが、こいつの話いずれ。
(詳細は「ライト」「ラターの唄」を参照。)
とにかく、情報交換だけは便利な奴だ。いつも忙しい
あいつは迷惑がっているが、知ったことではない。
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