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「毎回言うけどさ、何で部活やってる俺が帰宅部のお前に勉強教えないといけないわけ」
ごもっとも。でも滝内君が勉強している姿は想像しがたい。
そう考えると、部活と勉強を両立している吉倉君ってすごいんだなぁ。
尊敬の眼差しを向けていると、それに気付いたのか吉倉君は私の耳元に顔を近付けて来た。
「え、な、なに」
「ちゃんと言うから、安心して」
息が耳にかかる。
思わず私は顔を真っ赤にした。吉倉君の低い声は私を変な気持ちにさせる媚薬のように感じた。
吉倉君と滝本君が先に教室に入っていくのをボーっと見送っていると
「ちょっと空菜!」
「うっ」
ゆうちゃんがタックルしてきた。
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