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「ふーん、そうなんだ。だから後に続かないような返事だったんだね。でもさ、やっぱりそれ寂しいよ」
「え?」
「学校以外でも倉元さんと話したいのに、そんな気持ち持ってちゃ相手と親密にはなれないよ」
ああ、だから私って友達少ないのか、なんてふと思った。
でも……日下部君にお説教みたいなことを言われてなんだか悲しくなった。日下部君の目が見られなくなって私は俯く。
ノートと机が視界に映って、次に目に入ったのは自分で机に落書きした一輪の花だった。授業中、先生が勉強と関係のない事を長々と話している時に退屈でつい書いてしまった一輪の花。特に意味はない。
けれど、それは一人ぼっちの私を無意識に描き出しているようだった。
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