☆第1章☆

3/8
前へ
/272ページ
次へ
日向美沙。ただいまピンチです。 今日は期末テストで……今は数学のテスト中。……どうしよう、全然わからない。 て、適当に書けばなんとかなるんじゃ…! シャーペンで問題を解いていく。そしてテストの終わりを告げるチャイムが鳴り、やっと数学のテストが終わった。 「お、終わった…」 「美沙ちゃん、テストどうだった?」 優しく美沙に笑いかけている女の子。この子は美沙の友達で、水野志穂。同じクラスで、二人はとても仲がいい。 志穂は物凄く男子にモテる。まあ、家がお金持ちでご令嬢なためそれ目当ての男子もいるかもしれないが。しかしそれでいて、彼氏はいたことがないらしい。 「全然ダメだった…」 「実は私も…でも美沙ちゃん、現国は得意だよね?」 美沙は漢字…というか、現国が得意なようで。前に漢字テストをやった時なんか満点を取ったこともある。 「そうだ、HR終わったら一緒に帰ろう。今日は部活ないんだ」 「うん!じゃ、帰りにどっか寄っていこうよ」 「あ…ごめんね。今日はちょっと。でも一緒には帰れるから!」 「そっか、……」 「あ!じゃあ何か欲しいものとかある?」 「欲しいもの?彼氏」 即答で目をキラキラさせながら言った美沙に志穂は若干ビビっているようだった。 「…か、彼氏かぁ。彼氏は無理かな」 「はは……そうですよね」 いつになったら私に春は訪れるんだろう……
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

418人が本棚に入れています
本棚に追加