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「屋上に行く気?」
ドキッとした。
「え、えっと……」
「……やっぱり」
私の反応を見て、癒ちゃんは確信したようにそう呟いた。
「危ないから駄目だって! 立入禁止だし!」
「大丈夫だもん! 見つからないようにしてるし」
「そういう問題じゃないから」
「とにかく、もう屋上行っちゃダメ。後から困るのは乃々香だよ?」
「…………」
癒ちゃんはいつも私を心配してくれる。
親友というよりは、お母さんみたいな存在。
「あれはダメ」
って言われたら素直に従ってきたけど――。
これだけは無理だ。
「…………癒ちゃん」
「なに?」
「……ごめん。無理!」
私は勢い良く駆走りだした。
「乃々香――!」
癒ちゃんごめん。
私は振り返らず、全速力で走った。
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